8/26(月)に目からウロコのパッシブデザイン講義を受けさせて頂きました。
パッシブ設計において第一人者である野池先生の仰るパッシブデザインの定義とは、
建物のあり方に工夫して、建物の周りにある自然エネルギー(太陽・風・地熱)を最大限に活用・調節できるようにし、高い質の室内環境を実現させながら、省エネルギーに寄与しようとする建築設計の考え方とその実際的手法とのことです。
機械設備に頼り切らず、敷地上の配置、性能、形状、窓の大きさや配置、窓周りに設ける部材やプランニングなどに工夫を凝らし、自然のエネルギーである太陽光によってもたらされる熱や、風を通すことで排熱し身体に当たる風の涼しさを利用します。
パッシブデザインにおいて極めて重要なのは、冬に太陽熱を取り込むことはもちろん、夏の太陽熱を遮ったり外に逃がしたりすることと、不必要な過剰な明るさにならないようにする事だそうです。
【パッシブの5大項目】
①断熱 ・・・ 冬のパッシブに重要(UA値)
②日射遮蔽 ・・・ 夏のパッシブに重要 ← 夏の熱を入れないこと!
③自然風利用 ・・・ 夏のパッシブに重要 ← 自然の風を入れること!
④昼光利用 ・・・ 通年のパッシブ ← 太陽で明るくすること!
⑤日射熱利用暖房 ・・・ 冬のパッシブ ← 太陽熱を暖房にすること!
しかしながら、地域、立地、住まい手によりその内容は異なってくるのですが、5項目全体をしっかりと意識しながら設計しないと高い質の室内環境と省エネには到達できないそうですのでそう簡単ではありません。
冬暖かい家にするには『窓から入った熱をいかに守るか』が重要で、『断熱性能が低い家で暖かい家はない』とのことです!
断熱性能をあげることで、夏にできるだけ熱を入れないこともできますね☆
しかし、断熱性能をあげると同時に保温性も高まり建物内の熱が逃げにくくなるので、一番熱の入る『窓』を工夫しなくてはなりません。
本来は屋根や外壁材にも工夫が必要ですが、ハルクは冷蔵庫に使われるような断熱材で魔法瓶のつくりのスーパーウォール工法ですから、やはり気を付けないといけないのは窓まわりなんですね!
ガラスと付属部材の組み合わせによって日射熱取得率が大きく変わるので、日除け部材の選定はとても重要なのです。
室内側で日除けするのに比べて、室外側の日除けは3倍の効果があるのです!
上記5大項目の①断熱ですが、こちらがUA値といって冬に建物全体でどれだけ熱が逃げていくかの性能で、この値は小さい方が省エネとなります。
②日射遮蔽はηAC値といって夏に建物全体でどれだけ日射熱が入ってくるかの性能で、この値も小さい方が省エネとなります。
↑冬の暖かさと夏の涼しさが欲しいから両方必要なんですね♪
⑤日射熱利用暖房はηAH値といって冬に建物全体でどれだけ日射熱が入ってくるかの性能で、この値は大きい方が省エネとなります。
UA値だけ高いだけのZEHでは全然ダメで、①~⑤を意識したパッシブをやるZEHでないと高い質の室内環境と省エネには到達できないのだそうです。
実際に窓から逃げる熱と、窓から入る熱をガラスの性能ごとに計算したのですが、驚いたことに性能の良い窓を付ければ良いというものではないとわかりました。
同じ窓の大きさ、同じ外気温、同じ室温で計算したのですが、性能が高い窓の方が熱損失が高くなる事もあるのですね。驚きました。
日射率は地域ごとに変わってくるので、日射取得率が高い地域と低い地域とでは窓の種類によって計算結果に差が出ることがわかりました。
↑この計算をいつでもすぐにできるようになる事が今の目標です!
(まだマニュアルを見ながらでないとできません><;)
この他にも自然風の利用の仕方や、太陽光をそのまま光として利用し明るくする設計手法を学びました。
先ずはこの日に頂いたテキストを熟読するのが課題です!
そして少しでもお家づくりに役立たせて頂ければと思います♪